今回は第一次世界大戦について解説してみようと思います。
第一次世界大戦とは
第一次世界大戦とは、1914年7月28日から1918年11月11日に起こった主にヨーロッパを戦地として世界中の国々によって起こされた初の世界大戦です。
第一次世界大戦3つのポイント
- 戦前の同盟関係
- 「ヨーロッパの火薬庫」バルカン半島
- 戦いの状況
戦前の同盟関係
登場国
まずは戦前の同盟関係を見ていきます。
登場する国はドイツ、オーストリア、イタリア、ロシア、フランス、イギリスの6カ国です。
フランスの孤立とドイツの暴走
ドイツとフランスは永遠のライバルと言っても良いほど仲が悪く、争ってきました。そんな中ドイツは「フランスをヨーロッパで孤立させてやる」と考えフランスを仲間外れにするために動きます。まずロシアに接近し、再保障条約を結びます。次にオーストリア、イタリアとも接近し、三国同盟を結成します。大陸においてフランスは孤立することとなります。

フランスをヨーロッパでハブる
この時の体制をビスマルク体制といいます。こちらの記事で詳しく解説したのでよかったら読んでみてください。
しかし、ドイツのトップがヴィルヘルム2世になるとロシアとの再保障条約を破棄し、ロシアとの関係が悪化します。これに目をつけたのがヨーロッパでボッチだったフランスです。フランスはロシアと同盟を結びさらにイギリスとも協商を結び三国協商を結成します。

ロシアとドイツがうまく行ってないらしいからロシアと手を組んでやる
これによりドイツ&オーストリア&イタリア vs ロシア&フランス&イギリスという構図が出来上がりました。
「ヨーロッパの火薬庫」バルカン半島
続いて「ヨーロッパの火薬庫」と呼ばれたバルカン半島の様子を見ていきましょう。
ドイツとロシアの思惑が交わる場所
ドイツは「ベルリン、ビザンチウム、バクダードを鉄道で結んでアジアにものを売りつけてやる」と考えていました。それぞれの都市の頭文字をとって3B政策と呼びます。
対するロシアは「凍らない港ほし〜」と地中海方面に進んでいきます。
ドイツの3B政策のルートと、ロシアの南下政策の2つが交わる場所があります。それがバルカン半島です。
荒れるバルカン半島
バルカン半島には様々な民族が住んでいて国もたくさんありました。そんな中、バルカン同盟が結成され中東のボス、オスマン帝国に喧嘩を売ります。このバルカン同盟には南下政策を進めたいロシアがバックについています。そのバルカン同盟は第一次バルカン戦争でオスマン帝国をボコします。
しかしその後領土問題で仲間割れを起こし、第二次バルカン戦争が起こります。その結果ブルガリアが他の同盟国にボコられ領土を全然もらえませんでした。
その結果オスマンと、ブルガリアはバルカン同盟のバックにいたロシアを嫌い、ドイツと仲良くなり始めます。
サラエヴォ事件
ここまでくるともう舞台は整いました。オーストリアがバルカン半島のボスニア・ヘルツェゴビナを併合しました。これに対してセルビアは「あれ?うかうかしてっと俺たちまでオーストリアに併合されね?」と危機感を持ちます。
そんな時にオーストリアの皇太子がセルビアの青年に暗殺されるサラエヴォ事件がおきました。
これに激怒したオーストリアは「おい、セルビアふざけんなよ。張り倒してやる」と宣戦布告します。これに対してセルビアのバックにいたロシアがセルビア側につきます。オーストリアと同盟を組んでいたドイツがロシアとロシアの同盟国であるフランスにも宣戦布告します。

まずはフランスを潰してそのあとロシアも叩くぞ
ドイツはフランスに攻める際ベルギーを通るのが近道だったためベルギーに通してくれと頼みますがベルギーは「僕たち中立国なんで無理です。」というとドイツは「じゃあてめえもぶっ飛ばす」とベルギーにも宣戦布告します。これにキレたのがベルギーの中立を守る約束をしていたイギリスで「ベルギーの平和は俺が守る」とイギリスもドイツに宣戦布告をしました。

さすがにドイツ調子乗りすぎ
このように1つの事件をきっかけに事前の同盟関係の影響を受けてヨーロッパの国同士が芋づる式に宣戦布告をしあい瞬く間に戦争は世界中に広がっていきました。
戦いの状況
長期化
第二次産業革命の技術革新の影響で飛行機や毒ガス、戦車、潜水艦など様々な兵器が繰り出され戦争は膠着状態となっていました。また各国が機関銃を使用した待ち伏せ作戦を実施したためさらに戦争は長期化していきました。
これで苦しくなったのはドイツです。ドイツはフランス、ロシア、イギリスに加えイギリスに領土問題があったオーストリアとの関係をそそのかされイギリス側で戦争に参加していたイタリアの4カ国に挟まれることになります。挟まれたことで物資を兵士に届けることが困難になり戦争が長引けば長引くほど不利になっていきました。

ドイツ裏切ります

周り敵しかいないじゃん…
アメリカの参戦
苦しくなったドイツは無制限潜水艦作戦を決行します。これにより今まで関係なかったアメリカ人の乗った輸送船を攻撃してしまい、アメリカが激怒して戦争に参加することになります。またアメリカがフランスやイギリスにお金を貸していたこともイギリス・フランス側で参加した理由の1つでしょう。この2カ国に負けられると貸したお金が返ってこなくなる可能性があるからです。
このアメリカの参戦により膠着状態だった戦争が動き始めドイツは敗北することになります。

さすがにドイツ調子乗りすぎだからボコすわ。あとイギリスフランスが負けてお金が返ってこないと困るし
まとめ
バルカン半島のサラエヴォ事件をきっかけとして第一次世界大戦は始まり、ドイツの無制限潜水艦作戦によりアメリカの参戦、そして終了という結果になりました。
アメリカ
アメリカは第一次世界大戦により自らの土地は戦地にならず、さらに大戦前は借金国だったのにも関わらず対戦中にイギリスやフランスにお金を貸しまっくたおかげで一気に債権国へと成り上がりその後世界を牛耳っていくことになる。
ドイツ
ドイツは大戦での敗北を受けて多額の賠償金をイギリスとフランスに請求され、それが第二次世界大戦のきっかけにもなったりする。
イギリス
イギリスは何がなんでもこの戦争に勝ちたかったのか3つの秘密条約を結んでいた。
- ドイツ側だったオスマンを混乱されるためにアラブ人に戦後あなたたちの国を作ってあげる
- オスマンを戦後イギリス、フランス、ロシアで割けよう
- パレスチナにユダヤ人の国作ってあげるからユダヤ人さんお金貸してください!
問題はこれらの土地が全て同じところだということだ。この秘密条約が現在まで続くパレスチナ問題の諸悪の根源となっている。
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